「相続した畑に家を建てたい」「使っていない農地を駐車場にしたい」——そんなとき、じつは農地なら何でも自由に転用できるわけではありません。農地転用には、前提として「転用できる農地」と「転用が認められにくい農地」があり、その分かれ目は農地の区分(立地基準)や農用地区域(青地)かどうかで決まります。この記事では、南城市を中心とする沖縄本島南部で農地の活用をお考えの方に向けて、農地転用の「可否」を左右するポイントの基本を、行政書士がわかりやすく解説します。(2026年7月時点)
この記事のポイント(要点)
・農地は立地条件などで区分され、区分によって転用が「原則許可」か「原則不許可」かの扱いが変わります。
・市街地に近い農地(第3種農地)は原則許可、まとまった優良な農地(農用地区域内農地・甲種・第1種)は原則不許可が基本です。
・農業振興地域の「農用地区域(青地)」の農地は、原則として先に「農振除外」が必要で、時間もかかります。
・実際の区分・可否は、農地のある市町村の農業委員会でご確認ください(2026年7月時点)。
「農地なら何でも転用できる」わけではない

農地転用(田や畑を宅地・駐車場などに変えること)には、農地法にもとづく許可や届出が必要です。手続きの種類(農地法3条・4条・5条)や、許可か届出か、手続きの流れ・費用の全体像は、農地転用とは?(解説ページ)で詳しく説明しています。この記事では、その前段にある「そもそも、その農地は転用できるのか」という可否の考え方にしぼって解説します。
農地転用の許可の審査は、大きく「立地基準」と「一般基準」の2つの基準で行われるとされています。立地基準は、農地の区分(立地条件)ごとに、転用を原則認めるか・原則認めないかを整理したものです。一般基準は、区分に関わらず、資金計画や転用の実現性、周辺の農地への被害を防ぐ措置などをみるものです。まずは農地の区分(立地基準)で、転用できる見込みの大枠が決まります(2026年7月時点)。
そのため、「うちの農地は転用できる?」を考えるときは、最初にその農地がどの区分に当たるかを確認することが出発点になります。
農地区分でみる「転用できる農地・できにくい農地」

立地基準では、農地はおおむね次の5つに区分され、区分ごとに転用許可の方針が整理されています。あくまで一般的な整理で、区分の判定は個別の農地ごとに行われます。
| 農地区分 | どんな農地か(イメージ) | 転用許可の方針 |
|---|---|---|
| 農用地区域内農地 (青地) | 農業振興地域の「農用地区域」内にある農地 | 原則不許可(先に農振除外が必要) |
| 甲種農地 | 市街化調整区域内で、特に良好な営農条件を備えた農地など | 原則不許可 |
| 第1種農地 | まとまった、良好な営農条件を備えた農地など | 原則不許可 |
| 第2種農地 | 市街地化が見込まれる区域や、生産性の低い小集団の農地など | 周辺の他の土地で目的を果たせない場合などに許可 |
| 第3種農地 | 市街地や、市街地化の傾向が著しい区域内の農地 | 原則許可 |
※上記は一般的な整理です。原則不許可の区分でも、公共性の高い施設など一定の場合に例外的に許可されることがあります。逆に、原則許可の区分でも一般基準(資金計画・被害防除など)を満たす必要があります。実際の区分・可否は農業委員会でご確認ください(2026年7月時点)。
ざっくりいえば、市街地に近く宅地化が進んでいる農地ほど転用が認められやすく、まとまった優良な農地ほど転用は認められにくいのが基本的な考え方です。沖縄本島南部でも、同じ市町村の中で場所によって区分が異なることがあります。
農用地区域(青地)と白地の違い・「農振除外」

農地の区分とあわせて確認したいのが、その農地が「農業振興地域」の「農用地区域」に入っているかです。農用地区域内の農地は、通称「青地(あおち)」と呼ばれ、将来にわたり農業に使うべき土地として、原則として農地以外への転用が認められません。
青地を転用したい場合は、原則として先に農用地区域から外す「農振除外」の手続きが必要とされます。農振除外には要件があり、認められるとは限らないうえ、手続きに相応の期間がかかるとされています。一方、農業振興地域内でも農用地区域に指定されていない農地は「白地(しろち)」と呼ばれ、青地に比べて規制はゆるやかです。
自分の農地が青地か白地か、農振除外が見込めるかどうかは、農地のある市町村の農政担当窓口・農業委員会でご確認ください。青地の場合は、家を建てる・売る前に「除外できるか」「どれくらい時間がかかるか」を早めに確認しておくことが大切です(2026年7月時点)。
「うちの農地は転用できる?」確認の手順(沖縄・南部)

転用できる農地かどうかは、次の順で確認していくと整理しやすくなります。
- 土地を特定する:農地の所在・地番を確認します(登記事項証明書・公図など)。
- 区域を確認する:市街化区域か、それ以外か(許可か届出かに関わります)。
- 区分・青地/白地を確認する:農地区分(第1種〜第3種・甲種など)と、農用地区域(青地)かどうかを確認します。
- 農業委員会・市町村へ相談する:区分の判定や、青地の場合の農振除外の可否・見込みを確認します。
- 手続き(許可・届出)へ進む:転用できる見込みが立てば、農地転用の許可申請・届出の準備に進みます。
なお、農地転用に前後して、次のような手続きはそれぞれの専門家の分野になります。行政書士は、農地転用の許可申請・届出書類の作成と農業委員会への提出代行をサポートし、必要に応じて各専門家をご案内します。
- 所有権移転などの権利に関する登記の申請 → 司法書士
- 地目変更・分筆などの表示に関する登記や測量 → 土地家屋調査士
- 譲渡所得など税金に関する申告・相談 → 税理士
手続きの種類(3条・4条・5条)や必要書類・費用の全体像は「農地転用とは?(解説ページ)」で、行政書士に相談できることの全体像は「行政書士に相談できることとは?」でも解説しています。
農地転用のご相談(初回30分無料)
農地転用は、まずその農地が転用できる区分か、青地か白地かを確認することが第一歩です。「うちの農地は転用できる?」「何から確認すればいい?」という段階からご相談いただけます。新城 誠行政書士事務所(沖縄県南城市玉城字志堅原107番地)では、農地転用の許可申請・届出について、書類の作成から農業委員会への提出代行までをサポートします。初回のご相談は30分無料です(対面・オンライン)。
お電話(098-988-9621)またはお問い合わせフォームからご連絡ください。農地法関係の報酬の目安は報酬表もあわせてご覧ください。
よくある質問(転用できる農地・できない農地)
Q. 農地なら、どんな土地でも宅地や駐車場に転用できますか?
いいえ。農地は立地条件などによって区分され(農地区分・立地基準)、区分によって転用が原則許可か原則不許可かの扱いが変わります。市街地に近い農地は転用が認められやすい一方、まとまった優良な農地や農用地区域内の農地(青地)は、原則として転用が認められにくい取り扱いです。個別の可否は、農地のある市町村の農業委員会でご確認ください。(2026年7月時点)
Q. 農地の「青地」と「白地」は何が違いますか?
青地は、農業振興地域の「農用地区域」内にある農地で、原則として農地以外への転用が認められません。転用するには、原則として先に農用地区域から外す「農振除外」の手続きが必要とされ、相応の時間がかかります。白地は、農業振興地域内でも農用地区域に指定されていない農地で、青地に比べて規制がゆるやかです。区域の別は市町村でご確認ください。(2026年7月時点)
Q. 自分の農地が「転用できる農地」かどうかは、どこで確認できますか?
農地区分や、市街化区域かどうか、農用地区域(青地)かどうかは、農地のある市町村の農業委員会や農政担当の窓口で確認できます。まず土地の所在・地番をもとに、現況と区域・区分を確認することが出発点です。行政書士は、その確認をふまえて農地転用の許可申請・届出書類の作成と農業委員会への提出代行をサポートします。(2026年7月時点)
出典・最新情報の確認先
本記事は2026年7月時点の制度に基づく一般的なご案内です。農地区分の判定や転用の可否、青地・白地の別、農振除外の要件・期間は、個別の農地や自治体により異なり、制度は改正されることがあります。最新かつ正確な情報は、各市町村の農業委員会・農政担当窓口、沖縄県、農林水産省の公表でご確認ください。この記事は、新城 誠行政書士事務所(沖縄県行政書士会 登録番号 第26471186号)が作成しています。
- 農林水産省「農地転用許可制度について」(外部サイト・新しいタブで開きます)
- 農林水産省「農業振興地域制度の概要」(外部サイト・新しいタブで開きます)
- 沖縄県「農地等の転用を考えている方へ」(外部サイト・新しいタブで開きます)

